以前ブログNo. 570でも紹介させていただきました、
IWC アンティーク Cal.8541B ブレス です。

| 項目 | 備考 |
| モデル | IWCアンティーク Cal.8541B ブレス |
| Ref. | 804 |
| Cal. | 8541B |
| 色 | 文字盤 シルバー |
| 素材 | SS |
| サイズ | 36.5mm(リューズ除く) |
| 年式 | 1967年製 |
| ブレス | ブレス付 |
| OH | スイスOH(2008年2月20日)・メーカー2年間保証 |
| 日差 | plus-minus 5sec. |
| 仕上処理 | 仕上げ済み |
| 付属品 | 修理明細・修理保証書(修理No.2810957) |
| 防水性能 | 生活防水なし |
| 在庫 | 一本のみ |

さて、今回のアイテムも1967年製でアンティーク時計ですので、ここは一つ「なぜ現在doppeLではIWCのアンティークなのか」というテーマを模索いたします
(特選時計の記事は遠方にいらっしゃる一般初心者の方にも分かりやすい解説となっております。常連さんたちにはクドクてごめんなさい)。
その後、商品のご説明、doppeL販売価格ご提示となります。最後までお付き合いいただけるとうれしいです。

IWC、インターナショナル・ウォッチ・カンパニー(=International Watch Company)についてのWEB上の記事はこちらが秀逸です。お話の流れとしては、IWCの歴史を概観し、そのムーブメントの変遷を振り返ることで、現在の流れを読み解いていきます。幾何の問題でいったら、漠然としたイメージに補助線を一本引くような形でみなさまへの「だからdoppeLではIWCのアンティークなのです」というお応えまで、スッキリと導けたらと思います。
現在IWCと呼ばれているインターナショナル・ウォッチ・カンパニーを昔から知っている人は略して「インター」と呼称しています。上記文字盤に注目してください。IWCと書かれておらずInternational Watch Companyとフル銘記されてますよね。このように文字盤にIWCと略記されていないモデルのことを「オールドインター」と呼んでいます。
今回のアイテムはこの「オールドインター」のアイテムのご紹介となります。

上記リンクの記事をお読みになるといくつかのポイントが浮かび上がってきますよね。
1.1868年創業の老舗である。
2.セイコーショックを経営者の手腕で乗り切った。
3.地道な技術の積み重ねが近年になって華開いている。

1.1868年といえば、明治維新王政復古の年です。江戸が東京になった年でもありますね。しかも、ただ社歴が長いというだけではなく、100年以上も前の部品を保持し続けている点に注目です。アフターケアに信念がある、ということです。

2.セイコーショック。これについては別の機会にまたじっくり分析する価値のある事象です。セイコーにはセイコーの思惑・意図があり一面的な評価は避けますが、結果としてはスイス時計業界全体の経営が破綻します。IWCの場合、それを救ったのは卓越した経営者ギュンター・ブルムラインさんです(この方はニコラス・G・ハイエックさんと共にスイス時計業界の歴史に名を残したといえます)。

3.そうはいっても、経営手腕だけで乗り切れる訳ではありません。沢山の技術者が陰でその名声を支えているのですが、覚えておいて損はない傑出したお二人の名をここに記載しておきます。アルバート・ペラトンさんとその弟子クルト・クラウスさんです。

このような大まかな歴史の流れの中、doppeLが注目していたのはIWCのムーブメントでした。
2000年発表の新型キャリバー5000はオリジナルのムーブメントでペラトン方式を復活させています。上記2.の経営上の理由から、他社よりは手を入れていると言われてはいるもののIWCはETAのエボーシュを採用してきました。しかし背後ではクラウスさん達がコツコツと研究開発を重ねていたわけですね。そして2005年にはキャリバー80110搭載のインジュニアを発表します。これは伝統のペラトン方式に抜群の耐震性と耐磁性を付加したコダワリのモデルとなりました。

経営危機を乗り越えた老舗メーカーのムーブメント復活が注目を集めた。
多機能高性能で高価な新作はリッチな人に売れることは間違いない。
であるならば、いくつかの疑問がコダワリのあるお客様の頭には点灯するはずです。
「だったら、もともとのペラトン方式腕時計ってどうだったの?」
「100年分の部品在庫を保持する(と言われている)老舗メーカーなら古いペラトン方式採用の時計も実用に耐えるだろう。市場に在庫はあるのか?」
「値段は?」
「現行のペラトン方式と比べてセイコーショック当時のペラトン方式の時計はどこが違うのか・・・」
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doppeLはそんなお客様の(潜在的な)声にお応えすべく、実は2006年の梅雨の頃から卸さんの協力の下オールドインターを集中して入荷し始めました。おかげさまで2007年には数多くのオールドインターがお客様の手に渡ることになりました。
今回のアイテムは、そのような流れの中での逸品ということになります。
2007年の初夏の頃でしたでしょうか。ふと思ったのです。
「100年前のパーツまで準備してあるって言うけど、本当なのだろうか。」
それで、たまたま手元にあった状態のそれほどよろしくないオールドインターをIWCのスイス本社へ修理依頼してみたのでした。

依頼内容は、OH、ブレスコマ足し、文字盤仕上げ、針交換等です。
そして無事約9ヶ月の修理・OH期間を経て返ってきました。
費用は確かに嵩みました(修理代金は日本円で20万強・・・明細アリ)。
とはいえ、かくして部品保持の伝統は証明されたのでした(41年前ですが・・・)。

オールドインターのブレスはそれ自体単体でネットオークションにかけられたりするほどの価値を持ちます。
それもそのはず。
当時のブレスは腐食しやすい「マキ」と呼ばれる加工技術であり
上板を巻き込んで作っています。マキは「サビやすい」という弱点があります。
当時サビに弱かったならば、イイ状態のものは今見つかりにくい。
現在のユーロ高の状況からして、ブレスだけで8万円ほどの値がオークションではつくようです。

今回のアイテムでは、それが「スイス本社でのリペア・コマ足し済み」です。

ということで、気になるdoppeL販売価格は・・・
| 【定価】 | アンティークにつき不問 |
| doppeL 【販売価格】 | 346,500円 |
となりました。
「アンティークの雰囲気・デザインに興味を惹かれる。しかし
コンディションの善し悪しなど、深いところまで理解しきれていないから不安だ。
価格的にも新作には手が届かないのは分かっているから、
オールドインターで手頃なアイテムはないだろうか。」

というようなお客様にはぴったりの商材です。
注目を浴びているペラトン方式のオリジナルキャリバーに着目してみる。
これを機会に明治維新創業の、老舗メーカーの伝統を身にまとってみませんか。

長い記事に最後までお付合いいただき、本当にありがとうございました。
(プリントアウトしてお読みいただいたにせよ)目が疲れましたでしょう。
珈琲を片手に実物をトクとご覧いただくべく、皆様のご来店をこころよりお待ちしております。
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